なごり雪
 
近年の地球温暖化の異常気象のせいでしょうか、
東京ではこの数日前に初雪が降ったらしいですね。

なごり雪が、初雪ではちょっと違和感がありますが、
3月の卒業のこの季節にどうしても聞きたくなる曲が
伊勢正三作詞作曲のイルカの「なごり雪」

別れと旅立ちの情景を見事に描いた名曲。
最近では徳永英明や平原綾香もカバーしています。

わたくしには、この歌の歌詞のような経験はないですが、
「汽車を待つ君の横で僕は時計を気にしている」
「動き始めた汽車の窓に顔をつけて
 君は何か言おうとしている」といったフレーズは
あっさりとこの歌のもつ情感の世界へと導いてくれ、
心の中のあったのか、なかったのかもわからないような
茫漠たる記憶の彼方の情景と重ね合わせてしまいます。

3月のなごり雪は、季節はずれでどこか寂しそうだけど、
雪国に住んだことのない関西育ちの人間にとっては、
雪が降るっていうことは、とても非日常的なことなのです。
だから、ちょっと特別な日に雪が降っていたりすると、
いつまでも、その情景を忘れられなかったりします。

今は、汽車という言葉も、すっかり使われなくなりました。
もちろん、この歌がはやった頃でも、
汽車は煙を吐いて走る蒸気機関車ではありませんが、
汽車という言葉の醸し出す情感が、
なごり雪というモノトーンの世界にうまく合うのでしょう。

「今、春が来て、綺麗になった…」というよりは、
本当は別れと出会いの春だからこそなのかも知れません。
車窓の景色のように流れていく季節の移ろいは、
人の感性までも変えてしまうことがあるような気がします。

哀しいことに、今、春が来て・・・
きれいになった人は、わたくしの周りでは見当たりませぬ。


●なごり雪 作詩/作曲:伊勢正三(昭和50年)
汽車を待つ君の横で僕は時計を気にしてる 季節外れの雪が降ってる
東京で見る雪はこれが最後ねと 淋しそうに君が呟く
なごり雪も降る時を知り ふざけすぎた季節の後で
今 春がきて君は綺麗になった 去年よりずっと綺麗になった

動き始めた汽車の窓に顔をつけて 君は何か言おうとしている
君のくちびるがさようならと動くことが こわくて下を向いてた
時が行けば幼い君も 大人になると気づかないまま
今 春がきて君は綺麗になった 去年よりずっと綺麗になった

君が去ったホームに残り 落ちては溶ける雪を見ていた
今 春がきて君は綺麗になった 去年よりずっと綺麗になった
去年よりずっと綺麗になった 去年よりずっと綺麗になった








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平成19年3月23日 3:35
 
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