【 AP通信・北京支局発ニュース速報 】 米国時間 2008年4月1日午前7時34分
中国政府は1日火曜、「チベット独立軍 (Tibet independence forces) は、自殺テロの軍団 (suicide squids) を用いて流血の攻撃を企んでいる」と(チベット亡命政府の自主独立運動を)非難した。この声明は、ダライ・ラマの支持者に対して浴びせられた一連の非難声明の中でも、最新のものである。
ダライ・ラマのチベット亡命政府、中国側の誹謗と否定
(こうした中国側の非難声明に対応して)チベット亡命政府の首相は、チベット人はあくまで「非暴力の道」に徹していると反論した。
「われわれの得た情報では、「チベット独立軍=Tibetan independence forces」が次に予定している謀略は、自殺テロ軍団を組織して暴力的攻撃を展開しようとしていることだ。奴らはいかなる流血の惨事も、自らの命を犠牲にすることもいとわないと主張している」火曜の記者会見で、中国治安局のウー・ヘピン広報官はこう発表した。
中国政府「ダライ・ラマ団の陰謀」と非難声明
中国政府は、「8月の北京オリンピック開催を阻止してチベット独立を呼びかける運動の一環として、ダライ・ラマと彼の支持者は、先月ラサで反政府行動をとった暴徒を組織・煽動した」と非難している。一方、今年72才のノーベル平和賞受賞者ダライ・ラマ法王は、暴力否定を訴えて中国政府からかけられた陰謀の首謀者という嫌疑を否定し、騒擾の実態とその背景にある要因の真相を究明する国際調査団の編成を要請した。
「非暴力の道」を説くダライ・ラマ法王
チベット亡命政府のサムドン・リンポチェ首相は、火曜の記者会見で次のような要点を強調した。「自殺テロなどありえません。我々の心が非暴力の道に準じるのは、絶対に疑問の余地もありません」リンポチェ氏はさらに、独立運動家の信用を落とすために、チベット人に化けた中国人が襲撃を起こすという陰謀に対する危惧にもふれた。
国営テレビで50年以上前のプロパガンダ映像を放送
中国のダライ・ラマ糾弾の手段は、最近数日とくに激しさを増し、1950年の中国共産党人民軍による侵略以前のチベット人社会を、野蛮で原始的なものとして描いた何十年も昔の古いプロパガンダ映画を、国営テレビのCCTVで繰り返し放映している。 中国政府は、チベットの首都ラサの市民の生活は早急に普段通りに戻ったという報道もしている。しかし、14日に流血の暴動の舞台となったラサ市では、ジョカン寺、ドレパン寺、セラ寺など代表的な仏教僧の僧院がいまだに閉鎖され中国人民軍の軍隊に包囲されていると、現地の観光案内人は伝えている。
平和的抗議運動が流血の惨事に
1959年に中国政府の圧政に反抗して立ち上がったチベット人僧侶の「ラサ蜂起」。3月10日はその49周年の記念日だった。その日から始まった平和的な抗議運動は、3つの寺院の僧侶たちによって支援実行されていた。しかしその4日後、抗議運動が突然暴動に変わり、ラサからチベット・中国の境界を越えて瞬く間にチベット人が多く住む中国西域の広大な地域に野火のように広まった。中国政府は、チベットは何世紀にもわたって中国の領土であったと主張するが、チベット人の多くは、過去の歴史の大部分を通じて、チベットは基本的には独立国の立場を守ってきたと信じている。
国際的非難を拒絶する北京政府
中国は、チベット人との和解を呼びかける国際社会の声を無視し、ダライ・ラマ法王と海外のチベット独立支援団体によって喚起された「中国政府のチベット人に対する差別、抑圧、経済的疎外の問題」を議論することを拒絶した。さらには、暴動鎮圧と称して銃殺や過剰に暴力的な弾圧が行なわれたという証言があるにも関わらず、中国政府が言うところの「暴動鎮圧」の実態を明らかにする調査団の立入りも拒否した。
中国人犠牲者に焦点をあてたラサ弾圧報道
中国の国営メディアの報道は、中国政府の主張する「チベットでの暴動の犠牲者」に関して圧倒的に焦点が当てられている。報道された内容によると、3月14日のラサの「暴動」では、18名の中国人市民と1名の警官死亡したと発表しているが、その中の14名の指名が公開された。犠牲者のうち1名を除いて全員が、中国の他の地方からラサへ移住した漢人であった。この背景には、中国のチベット侵略以降の数十年間に、中国本土の他の地方からチベット自治区へと怒濤のように流出して移住した数十万の漢人が(現在チベットの人口のかなりな部分を占めるが)ラサ市内の主要な地区に居住していた事実がある。
3.14ラサ弾圧以来、死者140名・逮捕者712名
中国国家警察が火曜早朝に発表した内容によると、抗議行動に参加したチベット人を追いつめた武装警察の包囲を逃れるために、建物上階の窓から3名が飛び降りた模様である。チベット亡命政府の累計では、中国政府によるラサの虐殺と、さらにそれ以上の犠牲者を出したその後に続く弾圧によって、140名近くのチベット人が犠牲者となったと発表している。
また3月14日の「暴動」にたずさわった容疑で拘留中のチベット人逮捕者は合計414名に上り、そのほかに298名のチベット人が、中国政府の呼びかけに呼応して自首したと、国営放送の報道を通じて中国警察の担当官から発表されている。