瓦工事に使用するその他の材料
 
 瓦屋根であっても、瓦のみで屋根を完成させることは出来ません。具体的には、下葺き材や瓦を引っ掛ける桟木、緊結材としての釘、ビス等多くの材料を使用します。これらを総称して「副資材」と呼びます。ちなみに瓦など屋根材は「本資材」と呼ばれます。
 「副資材」を施工工程の順に列記してみます。
下葺き材(ルーフィング)
水切・カバー板金
鼻桟木(瓦座・広小舞)、登り淀
縦桟(キズリテープ)
瓦桟木(横桟木)
捨谷鉄板
本谷鉄板
緊結材(釘・ビス・銅線)
棟強化金具
棟心材
湿式材料(セメント・砂・混和材)
棟換気部材
この項では、1. 5. 8. 10. 11. 12.について解説いたします。その他については本ホームページの「施工マニュアリング」「施工図(CADデータ)」をご参照ください。

I. 下葺き材
 屋根工事の第1工程は、出来上がった屋根面に下葺き材という防水紙を貼る工事です。これは瓦に限らず一般的に全ての屋根工事に共通します。屋根材は1次防水層であり、そこを通過した浸水を2次防水層である下葺き材で受けるのです。また、1次防水層である屋根材の裏面に発生する結露水を受ける為にも重要です。ルーフィングとも呼びます。以下、瓦工事に主に使用されるルーフィングをご紹介します。
①	アスファルトルーフィング22kg・23kg(JIS規格940適合品)
 基材にアスファルトを浸透、さらにアスファルト被膜し、鉱物質粉末を裏表に付着させたもの。1巻の長さは21m、幅1m。JIS規格があり、数値の940は単位面積質量。22kg、23kgは1巻の重さ。23kgは22kの表面に緑の塗装を施したもの(1kgの差は塗料の重さの差)。
②	改質アスファルトルーフィング
 通称ゴムアス。アスファルトルーフィングの中にゴムを混入させ釘穴シール性(釘穴の締り)を高めたもの。JIS規格がなく、商品によって製法、品質、価格のバラツキが激しい。
③	粘着層付き改質アスファルトルーフィング
 ゴムアスの裏面を粘着層とし、屋根板に接着させて施工する。屋根板に密着することにより釘穴シール性がいっそう高まる。また2次的な効果として、ステープルを使わずに施工出来る=表面にステープルの穴を開けずに済む=防水性向上、となるメリットも大きい。
④	合成樹脂系シート
 極めて破れにくいと言う特徴がある反面、釘穴シール性は劣る。但し、オルフィン系と呼ばれる樹脂製品が比較的釘穴シール性は良好とされている。
⑤	透湿性ルーフィング
 比較的新しいルーフィング材。表面は防水性を持ちながら、裏面から表面へ湿気を通過させる(逃がす)機能がある。

 瓦業界では、ここ数年でアスファルトルーフィングから改質アスファルトルーフィングへと大きくシフトしています。当社でも、2003年より改質アスファルトルーフィングを全工事標準仕様としました。理由は、瓦の釘止め本数が全数止めかそれに近い形になり、以前よりもルーフィングに釘穴を開けざるを得なくなったからです(瓦を全部釘止めすることについてはまだまだ検討を要すると思います。この点については別の項で再度触れたいと思います)。
 但し、改質アスファルトルーフィングは、決まった規格がなく、品質、価格のバラツキが大きいです。当社では、シール性について数種類をサンプルに社内実験を行い、価格と品質のバランスがもっとも良いと判断した製品を使用してます。
 合成樹脂系シートは、現在、当社ではあまり使用しておりません。やはり釘穴シール性に納得いかないものがありました。ある製品に釘を刺したまま曝露試験(屋外に放置する試験)をしてみたのですが、しばらくしてかなりの収縮が認められました。釘穴を締める向きではなく開く向きに収縮してゆくようです。どうしても破れにくいルーフィングを使用しなければならないなど特殊な事情がある場合、当社ではオレフィン系の製品を使用してます。
 透湿性ルーフィングを使用する目的は、小屋裏結露の防止にあります。小屋裏の暖まった空気が屋根板の隙間から透湿性ルーフィングを通して外へ抜ければ、小屋裏では結露が発生し難くなります。しかし、抜けた空気は一旦透湿性ルーフィングと屋根材の間に留まりますから、今度は屋根材の裏側で結露が発生する可能性が高まります。したがって、瓦工事に使用する場合は、必ず桟木を腐食しない材質(出来れば樹脂材)にしなければいけません。このような条件化では瓦は腐りませんが木材はすぐに腐食してしまいます。さらに、発生した結露水がきちんと外部へ抜け出るような施工を行うことが肝心です。
瓦だけでなく、どんな屋根材の場合も透湿性ルーフィングを使用する場合はこの点で注意が必要です。
 ルーフィングに限らず、新しい機能を持った材料を使用する場合、プラスの面だけではなくそれによって新たに引き起こされるマイナス面がないか、よく考えることがとても大切だと思います。現代の建築は、互いに完全とは言えない材料・工法をいかにその欠点を補い合う形に組み合わせるかというバランスの上に成り立っている気がします。新建材を導入するということは、そこにそれまでのバランスを崩す要素を入れることです。我々専門工事業者も、常に建築の整合性ということを念頭に置き、工事に取り組むことが必要です。../CAD%20data.htmlshapeimage_2_link_0
Chapter 6
実戦! 屋根の知識
本当に知りたい事は、現場にあります。〜これが瓦の最新リアルレポート〜
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  1. はじめに   屋根材の大分類  屋根瓦に求められる性能  粘土瓦の産地  粘土瓦の種類
  2. 瓦工事に使用するその他の材料2  瓦工事に使用するその他の材料3  瓦工事に使用するその他の材料4
  3. 瓦工事に使用するその他の材料5
 
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