瓦の棟換気部材は、①棟上部取付け型と②棟部瓦下取付け型とに分類されます。
①は棟瓦に組み込むタイプの物で換気口は外部に面してます。②は棟際の平瓦の下に設置し、したがって換気口は外部から見えません。このタイプは平瓦の下も外気と見なす、という前提に立って考えられたものです。平瓦の下でどれだけ換気できるのだろう、と疑問が沸きますが、当社では、発炎筒を焚いて実証実験を行ってみました。結果を数値として表すことは出来ませんが、視覚的にみて充分換気を取れているという実感を得ました。本ホームページでも映像を公開しておりますのでご覧ください。
データはありませんが、②の部材の方が広く普及している、と思われます。①に比べ価格が安いことと、換気口が外部に面してませんから、防水上安心感があるためと思います。当社も特に指定がなければ②のタイプを使用しております。
以上が換気部材の紹介になります。次に、屋根換気には「小屋裏換気」と「屋根の垂木間換気」の2通りがあることをご説明いたします。
「小屋裏換気」とは要するに天井裏にこもった空気を入れ替えることです。この前提となるのは、建物の天井部分で気密と断熱がしっかり成されていることです。つまり、天井までを室内(建物の内側)と捉え、そこから上(天井裏)は外部と見なす、という考えです。天井の気密・断熱が不十分な建物に棟換気を使用すれば、小屋裏結露の危険性が高まり、かつ、居室が暖まりにくくなる不便が生じます。暖まった空気がどんどん天井から外へ逃げて行き、暖まらないからさらに暖房を使うといったエネルギー効率の悪い暮らし方になります。
「屋根の垂木間換気」は、天井ではなく屋根を断熱層とした場合に使用されます。この場合は、天井裏は建物の内部と見なします。一般的に言って建物内部から外に向かい、気密層→断熱層→透湿防水層→通気層→屋根板の順で部材が重なります。「垂木間換気」とはこの通気層を通って上昇した空気を棟の頂点で排気することです。
したがって「小屋裏換気」と「垂木間換気」では、取り付ける換気部材の数量の算出の仕方も、取付け方も異なります。「小屋裏換気」の場合は天井面積が数量算出基準になり、「垂木間換気」の場合は、垂木で仕切られた個々の通気層の空気をいかに有効に吐き出させてやるかが数量算出のポイントになります。
何れの場合も、建物それ自体の気密・断熱がきちんと成されていることが前提となって棟換気が有効なものとなります。
「高気密・高断熱・計画換気」で設計された住宅は、少ないエネルギーで屋内全体を快適な室温で維持することを目的にしています。その結果として、建物の内部の熱が屋根面に伝わることがなくなり、北国の屋根を悩ませてきた「すがもれ(氷漏れ)」や、2階の屋根からの落雪・落氷による1階の瓦の破損という問題を解消しました。「すがもれ」等に関しては別項「屋根のトラブル」で再度説明いたします。