3月初旬、突然ベトナムへ旅立った。
病後初めての海外。久々の貧乏旅行。だけどしっかり堪能するよ。特に食い物は!ってワケで、早速ホーチミン入りして最初に食べたのがガイドブックでおなじみのカフェ『FUNNY』のシクロ型のアイスクリーム。
ツアーにはよくウェルカムドリンクとかついてるけれど、アイスクリーム無料クーポンがついていた。ここに行きたいと地図を広げてアオザイ翻し歩いていたら、「コンニチハ〜!」と笑顔のベトナム人が声を掛けて来た。どうせ観光客目当てのポン引きだろうと警戒していたら、この人がとても親切で、偶然にも宿泊しているホテルの従業員だった。なんでも日本語の勉強をしているから少しでも日本語を喋りたいんだとか。彼の笑顔と一生懸命に喋る片言の日本語に何故か「騙されてもいいかも」と着いて行った。汗を拭き拭き
テクテク歩く彼に着いて行くと、お陰で道路に蔓延る危険なHONDA族を難なく避けて横断出来たし、ドンコイ市場も案内してくれたり、ホテル支配人御用達のベトナム珈琲豆やナッツを売る店にも連れてってくれて、値引き交渉までしてくれた。
お目当てのFUNNYに到着すると、シクロ型のアイスが食べたいんだと、無料クーポンを渡すとすぐに通訳してくれ、彼は「サヨウナラ〜」とまた汗を拭き拭き帰って行った。さて、果たして本当にマジでガイドブックに乗っていたあのシクロ型のアイスなんかあるんだろうか。しかもこの無料クーポンでそれが食べられるのだろうか。ちょっとワクワクしながらテラス席でけだるいベトナムの夕陽に照らされて待つことしばし。アタシの目の前にシクロ型アイスがやってきたではないか!ガイドブックと同じものが出て来たなんてことない出来事に感動する。「ああ!同じだよ!同じ同じ!」興奮気味にカメラを構える。
かわいい。かわいすぎて食べられない。しかもホントにガイドブックの写真そのままだ。久々に感動した。こんなガイドブックに載っている食べ物に感動したのは何十年ぶりだろうか。海外旅行初めての女の子みたいな気分だ。
しばらくそれを見つめているうちに、ホーチミンのバイクの音や陽射しや湿気がリアルに肌に伝わって来る。
ポテっとアイスが溶け出す。
溶け出したアイスのようにアタシの心も溶け出して来る。
とろりとろりと、アタシはベトナムにとろけ出す。
「来たぞベトナム!!ハローベトナム!!」
溶け出して来たシクロ型のFUNNYのアイスで
アタシの旅の幕開けに乾杯だ。
初めて食べたベトナムの味。
ウェルカムアイスクリーム。
あの溶けたシクロ型のアイスは多分一生忘れられない味だろう。
そしてあの優しい汗を拭き拭きのホテルマンの笑顔も。
さぁ食うぞ!
ベトナムを食べ尽くす勢いで旅が始まった。