改憲国民投票法案情報センター
 
 
『朝日新聞』2007年5月1日
 
「9条は平和に貢献」78% 朝日新聞世論調査
 
 3日で施行60年を迎える日本国憲法。朝日新聞社の全国世論調査(電話)で、憲法第9条が日本の平和に「役立ってきた」と評価する人が78%を占めた。憲法改正が「必要」と思う人は58%にのぼるが、改正が必要な理由を聞くと「新しい権利や制度を盛り込む」が8割に達する。自衛隊を「自衛軍に変えるべきだ」は18%にとどまり、自民党がめざしている改憲の方向と民意との開きが目につく。安倍政権のもとでの憲法改正に「賛成」は40%、「反対」は42%で二分された。
 調査は4月14、15の両日、内閣支持率などと同時に実施した。
 憲法改正を巡っては、自民党が05年に、9条を改正して「自衛軍」を持つことなどを盛り込んだ「新憲法草案」を発表。安倍首相は「自分の政権での改憲」をめざし、7月の参院選で憲法問題を争点とする構えだ。
 調査では、憲法改正が「必要」58%に対し、「必要ない」は27%。一方、9条を「変える方がよい」は33%で、「変えない方がよい」の49%を下回る。自衛隊の存在を憲法の中に書く必要が「ある」は56%。しかし、「自衛隊を自衛軍に変える」ことへの支持は18%で、「自衛隊のままでよい」が70%にのぼった。9条を「変える方がよい」人でも、「自衛隊のままでよい」が52%と過半数だった。
 調査方法が異なるが、憲法改正について「必要」と思う人は昨年4月調査(面接)で55%、05年4月調査(同)で56%。9条が日本の平和に果たした役割も、昨年4月調査で74%の人が評価している。改憲志向と9条への評価が共存する民意の状況が続いている。
 憲法改正が「必要」と答えた人に、その理由を三つの選択肢から選んでもらうと、84%の人が「新しい権利や制度を盛り込む」を挙げた。「自分たちの手で新しい憲法を作りたい」は7%、「9条に問題がある」は6%で、改正の理由としては少ない。占領下で作られたという制定過程を問題にしたり、9条改正を強調したりする自民党の改憲論と、国民の意識の違いが目立つ。
 憲法改正が「必要ない」理由では、「9条が変えられる恐れがある」が39%で最も多く、次いで「国民に定着」33%、「自由と権利を保障」25%。改憲が必要と思う人とは対照的に、9条を強く意識する人が多い。
 安倍政権のもとでの改憲について、「賛成」はすべての年代で3割台から4割台だった。憲法改正が「必要」という人では59%が安倍政権の改憲に「賛成」だが、「反対」も29%あった。
 憲法改正が「重要な問題」と思う人は57%。一方で、家庭や職場などで憲法の話をする人は、「よくある」「ときどきある」を合わせて34%。3人に2人は「ほとんどない」か「全くない」と答えた。憲法を巡る国民論議が盛り上がっていない現実も浮かび上がる。
 
 
『信濃毎日新聞』2007年5月1日
 
憲法改正 「賛成」は計50%「反対」計33%
 
 信濃毎日新聞社は30日、5月3日で施行60年を迎える日本国憲法について県民千人に尋ねた電話意識調査の結果をまとめた。憲法改正が「必要」(「どちらかといえば必要」を含む)とした人の合計は50・7%で、「必要ない」(「どちらかといえば必要ない」を含む)の33・2%を上回った。16・1%は「なんともいえない・わからない」とした。
 2005年7−8月に県世論調査協会が憲法の見直しなどについて千人に郵送で尋ねた県民意識調査(回答率56・2%)に比べ、改憲に肯定的な回答の割合は20・2ポイント低く、否定的な意見の割合は15・9ポイント高い。憲法改正手続きを定める国民投票法案の国会審議が大詰めを迎える中、改正には慎重な県民意識もうかがわせている。
 今回の調査で「必要」とした人のうち、14・2%は「これ以上の拡大解釈を防ぐため」としており、自衛隊の海外派遣に象徴される憲法条文の形骸(けいがい)化を懸念する立場。戦争放棄や戦力の不保持を定めた九条の改正について「必要」としたのは35・3%。「必要ない」は28・8%、「なんともいえない・わからない」は35・9%で、改憲に肯定的な立場でも九条改正には慎重、否定的な意見が少なくなかった。
 一方、改憲の是非や、どう見直すかを判断できる知識・情報について43・1%が「あまりない」とし、「全く不十分」と合わせて56・1%に上った。「十分ある」(7・1%)、「まあある」(34・7%)とした人も、学校や地域で知識・情報を得た人は1−2割にとどまっており、憲法について学習したり、論議したりする環境の乏しさが浮き彫りになった。
 憲法改正について男女別にみると、「必要」は男性53・6%、女性48・0%、「必要ない」は男性37・3%、女性29・5%。「なんともいえない・わからない」は男性9・0%、女性は22・6%だった。
 国民投票法案については「法律は必要だが、急ぐ必要はない」が56・4%。「憲法改正につながる法律は必要ない」は13・1%で、「早く成立させるべきだ」は11・0%にとどまった。
 
 
2007年5月1日 22:38
朝日新聞、信濃毎日新聞の世論調査