ペットを飼い始めた方によく相談されることに避妊、去勢のことがある。メスならば避妊、オスならば去勢ということだが、結論から言うと、メスでもオスでも交配させて子供を産ませるつもりがないならば避妊、去勢をするようにすすめている。
 避妊や去勢のメリットとしてはもちろん第一に子供を産ませないということがあるわけだ。ご存知の方も多いだろうが雌犬は半年位に1回発情期をむかえる。1回の発情期は3週間前後でこのときしか妊娠はしない。だから発情期の時だけ雄犬から遠ざけられれば不必要な妊娠は避けられる。しかし、室内で飼われていればともかく外で飼われている場合は、これがなかなか難しい。雄犬の方からみれば近所で発情している雌犬がいると、その犬の出すフェロモンを感じて食欲がなくなったり、吠えたり、落ち着きがなくなったりする。雄犬はどうしても雌犬の所に行きたくてしょうがないという状態になるので、雄犬の飼い主がうるさがってはなしたりすると一直線に雌犬の所へ行き、柵だろうがなんだろうがのりこえてしまう。悲しい雄の性というものだ。妊娠すると一度に平均4〜5匹は生むので、もらいてを探すのが、一苦労ということが多いのだ。
 猫の場合はもっと大変である。発情の時期には、やはり2度出産する猫や、中には3度も出産する猫もいる。発情の時期にはニャゴニャゴうるさく鳴くし、スプレーといって尿をかける行為もある。また、雄猫同士のけんかも多くなり、追いかけられたりして道に飛び出して、交通事故に遭うことも多い。山梨県の条例では猫も室内飼いを推奨しているが、現実には飼い猫でも自由に外にも行くのがほとんどであるから交配しないようにというのは、不可能である。そして、仔猫のもらいてを探すのは犬以上に難しい。
 山梨県は犬、猫の処分頭数がワースト1だったこともある。そのほとんどは仔犬や仔猫なのだ。これは裏返すと、山梨はやはり田舎なんだということだろう。都会では犬だけでなく猫だって室内飼育だから、まちがって妊娠してしまうなどということは、まず起こりにくい。また、こういう田舎だから自然のままがいいなどという人もいるが、そういう人に限って責任ある飼い方はしていない。
2005.7月号 青山動物病院 青山院長 〜青山先生の診察室から5〜
避妊と去勢