そこまで一生懸命になる馬の魅力はなんでしょう?
 はまっちゃったんですよね。私は子どもいないんですが、多分子どもが出来たらこんな感じなんだろうなあ、と思います。競技をやっている方はまた別なんでしょうが。パートナーというか。犬に似てるんですよ、行動が。人への接し方やしぐさなんかも。馬は嘘をつかないし。でも逆に気も使わないからたまに頭にきてしまうんですけど。せっかく遊びにきたのに、草ばかり食べていたり、「今日はいい」という感じで(笑)
牡と雌の違いはありますか?
 馬ってすごい神経質なんですよ。でも牝馬の方がカリカリしやすいですね。怒ったときに、逆切れしちゃう。人間と同じ(笑)牡馬はわりとさっぱりしてて、「へっ!わかったよ」という感じなんですが。乗馬の世界にあがってくると、ほとんど「セン馬」(去勢した馬)です。馬はもともと群れで生活する動物で、「セン馬」でなくて牡馬はやっぱり闘争心があって、上下関係を気にすることが多いですよね。強めの馬同士だとパンチとかするんですよ。で、上下関係を決めたらもう喧嘩をしないというルールがあるらしいです。ときどき危ないですけど、面白いですよ。
馬との出合い
 小さい頃からイルカと馬が大好きだったんですが、私はまだ東京で就職している頃、体験乗馬に行ったんです。それがきっかけではまってしまったんです。そして半自馬(半分クラブ半分自分持ち)で馬を持つようになって、障害とか大会も出るようになったんですが、馬の年的に高さを飛べなくなってしまって、先生も辞めてしまって、次のクラブを探していた時に熱血先生に出会ったんです。競技も面白くなり始め、馬への道がだんだん開けてきた…と思っていた矢先に、今度は、この馬に出会ってしまったんです。競技に傾いてる自分の気持ちがきゅっとここで変わったんです。片っ端からインストラクター落として、跳ね回って、今の10倍位危なかったんです。で、稼げない馬は処分されてしまうので…引き取ったんです。自馬を持ってみて、馬にはこの環境は良くない、と思って小淵沢に来たんです。棒も跨げないのに…(笑)ただめし喰いもいいとこですよ(笑)でもかわいいんですよ。あれがいなかったら多分そのまま会社に勤めてたと思いますが、すごいストレスの毎日だったと思うんです。でもここに来てると忘れますね。癒し系なんですね。本名はミラーダ。いつもはハルと呼んでます。
今後の夢は?
 こっちに来て1年半なんですが、大会には出てません。うちの馬は本当に何も出来なくて…ハルがその気になったらまた、競技も始めようかと思っているのですが、ある程度納得できる年齢というのが馬にはあるんでしょうね。ハルはサラブレットで競走馬あがりなんですが、乗馬的には全然いけてなくて、かっとなりやすくて、物に怖じけづけ易いんです。なのでその年齢になって、楽しく障害をやってくれるなら、やってみようかなあ〜と。ダメだったら危ないし、いいかなあと。でも一応向上を目指しているので、発表の場として競技にでられたらいいかな、と思っています。
ホースセラピー
 埼玉のホースセラピーをやっているクラブに半年位ボランティアで行ったことがあります。私は医学的なことはわからないんですが、自閉症やダウン症などの知的障害児の子どもでも、声が出せないはずなのに馬にのったら出たり、笑ったりするんです。結構大変な部分もあるんですが、みんな楽しそうでした。親御さんも連れてくるだけで大変だと思うんですが、子どもの嬉しそうな顔をみるために連れてくるんでしょうね。
癒し系なんです、馬って。
馬って暑いのがダメなんです。
汗かいてきちゃって、
それが嫌で馬を
ここの環境に連れてきたんです。
馬ごと引っ越してきたんです。
馬鹿でしょ。(笑)
青木 尚美さん(29歳)

小淵沢馬術競技場の馬舎にいる青木さんの馬は引き取った馬だそうです。
馬が処分されていくのが忍びなくて、全部は引き取れないけど…って頼まれた馬が今3頭に。
競走馬は引退すると、繁殖牝馬(お母さん)にならない限り行き先がないという…。
現在、家庭教室をやりながら馬を育ててらっしゃるそうです。
こちらに移って1年半、馬との生活をお伺いしてみました。
自然体で、すこぶる明るい印象の青木さんでした。