★『ぐらんまはうす』オープン!
 “子どもを預けるおばあちゃんち”『ぐらんまはうす』が5月に甲府市小瀬スポーツ公園近くにオープンしました。(2005年)早速取材にお伺いすると、ちょうどゴミ袋を2つ抱えて宮沢さんが…。「ちょっと捨てて来ちゃうので待っててくださ〜い!」と。山梨県を代表する子育てのカリスマ的存在で、怖れ多いイメージがあったのですが、大変気さくで、元気一杯魅力的な方でした。

★私はね、考える前にやっちゃうんです!
 次世代育児支援、ちびっこはうすのNPO法人化、数々の講演、子育て応援紙ちびっこぷれすの発行、そして『ぐらんまはうす』オープンと数々の偉業を成し遂げている宮沢さんですが、「名前だけが一人歩きしてるだけで、全然大した事なくて…、たまたま山梨に他の人がいなかったっていうか、いつまで私ばっかりなの(笑)って感じですよ」と。とはいえ、何度も気持ちを喪失させるような現場を踏みつつ、子育て世代のお母さん方と社会的立場のある人達の溝を埋めるべく、常に前向きな姿勢で、ネットワークを広げ、人と人のコーディネート、そして資金作りまでと、宮沢さんは子育てをするための、新しい時代を築いています。
 「もう私はね、考えないですよ、考える前にやっちゃうほうです。よくいるでしょ、子どもに。(笑)やっちゃってダメならやめればいいやって」子ども達が溢れている名古屋の保育園で、保育士を6年間勤めたそうです。だから子育てに自信もあり、山梨のいい環境で、これはもう楽しむしかない!と思っていたのが、いざやってみるとこんなはずじゃ無かった…、の連続。なんとかしようというところから、『子育てサークル・ちびっこはうす』が生まれました。 
 「結婚する前に私は甲府に土地を買っていたから…自分が6年間ためたお金を頭金にして、不動屋さんに行ったの自分で。駅前の端から不動産屋さんに入って…、向こう見ずですよね。
 で、友だちに誘われて、2ヶ月の子どもを連れて、母親の会に行ったんです。行ったらもう!楽しくて楽しくて。「この服どこで買ったの?」から始まって…、その時これだ〜って。幼児教室やろうと思った建物で子育てサークルやろうって、その時は利害関係なく自分達のために始めたんです」

★中途半端なすりこみ、思い込みがだめ意識改革が必要!
  最近子育てサークルが減ってきているとのことで、お母さん方のエネルギーが無くなってきてるんでしょうか?の問いに「いや、活かされてないんでしょ、昔より今の方がむしろ、元何々という人が多くて、やる気は今のお母さんの方が数倍あると思う。私は42歳なんですが、私より上の世代の女性は『良妻賢母』の時代で大和撫子。私より若い世代は、家庭科も技術も一緒、就職も男女平等という教育を受けてきたので、子育てだけがなんで?私1人が?と、思うわけ。その反面で、おかえりって言ってあげたい、おやつも作ってあげたいっていうのもあって。つまり、キャリアレディーという仕事も家庭も両立している女性のモデルが無いんですよ。仕事もしたいけど、それって母親失格?と勝手に自分で思い込んで…」













良妻賢母世代も前の代からの刷り込みだけど、30代の女性は中途半端なすりこみを受けていると、宮沢さんは言います。
 「子どもが生まれた時にきちんと夫婦で話し合いをすればいいんです。話し合いをしないで、当然私が辞めるんでしょって、成り行きで辞めちゃう。私もそうだったから。今の先進国だったら、夫婦で妊娠出産をどうやって乗り切るかを話し合う。さあどっちが辞める?って。対等にお互いの仕事を、きっちり話し合ってから出産に入るから、夫の方にも自覚があるんですよね。「君の仕事を一時休職するわけだから、俺もできる限りの事はやる」ってなるわけだけど、今の日本はほとんど、話し合われずに、「おまえが辞めるのに決まってるじゃん!」っていうわけだから、妻が一生懸命子育てしてても、「おれ?俺はゴルフ行くよ」で何も変わらない。そしてお母さんは自分が寂しい思いをしたから、自分の子どもには寂しい思いをさせたくないっていう、それも刷り込み。かわいそうだと思い込んでる。冷静に考えれば、やっぱり生き生きと仕事している母親も見てるはず。夫に対しても要求できない、夫も要求されない事をいいことに、「おれ?わかるわけないじゃん、生んだ訳じゃ無いし。俺の父ちゃんそんなことしなかった」って。時代が変わって、変わっていかなければならないのに、何も変わらない。変えようとしない。先輩のお母さんがいろいろ教えてくれればいいんだけど、だいたい年輩の方は「もうお母さんなんだからしっかりしなさい」の一言。だから私たちの世代がだんだん分かり始めて、10年20年してくると、大きく変わってくると思う」
★少子化問題親のバックアップ
 「皇太子妃の雅子さんがキャリアと子育ての両立をしていて、そこであの病気になるのって、ものすごくよくわかるよね。だからこれがフランスとかイタリアだったら女性はみんなデモ行進するんじゃないかなって思う。いかにも自分を否定されてるでしょ。小泉さんとかが男女参画とか言ってるけど、全部うわべだから…たぶん中身がない。だから私は少子化を食い止めたかったら、シングルが子どもを生めるような、子育てができるような社会のしくみを作る事が必要だよって。中学生や高校生が子どもをつくったって、それを押し隠すような社会ではなくて、あ!妊娠したの?おめでとう!って言えるような社会。中学生や高校生だって子どもを生めるんだから、じゃあ地域でね、若いけども、ちゃんとした親になれるようなシステムを、みんなでバックアップしましょうよ、って。でもこれがわかる世代と上の世代は溝があって…ね」










★子育てを楽しむために
 多くのお母さん方を見ているからこその、最近の子育ての問題点を明確に把握している宮沢さん。ご自分の体験を踏まえて「我慢すればする程、自分は鍛えられ、プラスのエネルギーが逆に出てくることも。けれど、周りが解ってくれない時は解ってくれる者同士が必要で、昔とは状況は変わったのだから、今風に子育てが楽しめるよう、今世の中で欠けている人間関係を再生出来るように、みんなが自分を活かすことが出来るように。」と、心強い言葉を宮沢さんから頂き、取材している私たちも元気をもらいました。
 このつづきは、次の8・9合併号にて掲載したいと思います。

★最近のお母さん事情
「なんかして自己実現できないかなあと、その時に元のキャリアが輝かしい程うつ病になってしまう。私って誰?私って何?中途半端なすりこみで、子育て大事〜って言う気持ちもあるから、その中で自分がどんどん犠牲になっていく。すごく愛情深くって子育てをしたい人程そう。家庭も子育ても仕事も、どれも中途半端にできない。そして自律神経失調症やパニック障害になってしまう。だから子育てにはいいかげんな人が向いてる。「え?子ども〜いいじゃん保育園でみてくれるって〜」、そろそろ暇だし仕事しようかなっていうぐらいの人がうまくいく。高齢出産でキャリアのある女性っていうのが問題が深くって、20歳そこそこで、わかんないけどできちゃったから生んじゃった〜って、え、彼別れちゃった〜っていう方多いんですよ最近。でもそういうママの方が子どもはのびのび(笑)結構、できないも〜んって人に預けちゃった方がうまくいく。私とか40
歳位の人は渡せない…、だから夫にも渡せない…抱えてしまう。
★昔の田舎の普通の家庭 
 ここなんかは、預ける事の練習。他人にゆだねる事で、あそういうこともあるんだ、そういう見方もあるんだ…と罪の意識を感じずに子育てに必要な知恵を借りるんです。子どもも地域の宝だけど、経験豊富な方も宝。子どもは嫌いだけど、畑が好きな人とかもいて、子どもが近くに行って、よるじゃない!って言われても、昔はそれが自然で普通で、ここに来るとなにするじゃなくて、心が安らいで、ってなるといいですね。人ってやっぱりかかわって生きる動物だから。
 だいたい10人〜15人位こどもがいて、おじいちゃん、おばあちゃんもその位いるのが理想ですね。お昼はみんなで運んで、ほうとうとかすいとんとか。粗食がいいんですよね。“もろこし”茹でただけでおいしい!まだまだ私自身も年輩の方から受け取れてないバトンを素朴な粗食を一緒に囲んで子ども達と一緒に受け取っていきたい。
 学童もやる予定。学童の時は大学のお兄さんお姉さん来てもらって、今欠けてる人間関係、ここで再生できるんです。中高年の人は小さい子どもと触れるとエネルギーをもらえて、学生さんはやがては親になるので、小さい子どもに触れておけばいいですよね。小さい子にとっても、いろんな人と触れ合える空間になります。
 保育園は特殊な場所です。就学前の幼児教育なのでそれはそれで大切ですが。ただ、今この社会で欠けていているのは、横の社会ではなくていろんな世代がある、縦の社会。ここでモデルシステムを作って、他の地域でも公民館とかでやったら、いいと思うんです」
 今、地域社会が崩壊しつつあって、昔は当たり前に出来てたことが、今は意識して取り入れないとなかなか出来にくい。今盛んに言われてる、無添加・無農薬・オーガニック等の食文化。おばあちゃん達はやっぱり経験豊富。生活の中に自然に溶け込んでいます。

★私が作ったのは場所
 「もうけたいわけじゃないから、
社会福祉機構に助成金をお願いしたり、中高年の方はボランティア。こんなことをやりたい人も自分たちでやるとなると大変で、私たちも若い人たちだけでやると、回すのが大変。お互いの良い部分が活かしていけるといいですね。私の作ったのは、場所をつくっただけであって、中身はみんなで彩っていく。全部とっぱらった、横も縦もななめの関係も無くした関係が理想です。何を教えて、というカリキュラムがあるわけでなくて、今日は〜さん風!でおもしろいでしょ。今核家族で、かかわりがないので、体の動かないお年寄りも、ここに居てくれるだけで子どもにとってはいい存在。保育園が子どもだけの世界のように、老人ホームも年寄りだけの世界だから、やっぱり、いろんな年代との触れ合いがあるとみんなの活性化になりますよね。必ずみんな、何か与えられるものがあるから、笑顔ひとつでも。」

★自分探しするために
 「まだまだ、預けちゃいけないっていうお母さん方のすりこみが強いです。なかなか預けられない。再就職するあてもないし、予定も無い人が、自分探しするためにここに預けてもらえたら、と思います。
 日本は、仕事の時間がフルタイムか専業主婦か安易なパートかしかないから、選択できない。そしたら、雇ってもらうという意識ではなくて、自分で仕事を作って、働き手を雇ってあげられるという風に、私たちが変えていけばいいと思う。時間はかかるけど、やっただけのことはありますね。アメリカだって急には女性の立場が出来た訳ではなくて、変えた訳だから。私たちもいつか変わるだろう、ではずっと変わらない。生きていられるのなんて、限りあるなかで、どれだけ変えていけるか、私たちの後から生まれてる女性のためにどれだけ変えていけるか?耕していけるか。一番大事なのは意識改革。フルタイムを望んでいるわけではないのだから、見ていてはそういう社会はできない、やっぱりつくり出していかないと。女性がフルタイムでもなくても、お母さんをやりながら働ける職場をつくり出していくんです。21世紀財団でもやってるけど、子どもを育てながらでも、技術を磨いて、キャリアをつけるんです。」


★相乗効果
 いろんな世代間の交流があって、それぞれの持ち味が活かされて、それぞれの参加の仕方で自然体で、という『ぐらんまはうす』。ねいてぃぶに通じる所が随所にみられました。そして世の中は、だんだん変わっていく、変えていける気配がしています。何かをやりたい時、こどもを生む、仕事をする、勉強をする時、方法手段を選ぶ時、今までやってきた、自分が活きるような、いろんな相互関係にメリットが生まれるよう、奪い合いではなくて、関わる事によって沢山の相乗効果が生まれるといいと思います。
 あなたも『ぐらんまはうす』に行ってみませんか?
次の時代は私たちがつくるので、ぜひぜひ、
 皆さん頑張って、自分を活かしてやって欲しい
子育て支援センター
ちびっこはうす
NPO法人山梨県
http://www.chibikko-house.jp/














NPO法人子育て支援センター
ちびっこはうす
代表 宮沢由佳さん(2005.7〜8・9)