●フクオカさんのこと●
 
 フクオカシロウという名前を初めて聞いたのは、モリタの口からだった。
 モリタは、ぼくとは歳のはなれた友人で、かつて短い間だが一緒にバンドをやっていたことがある。
友人というわりには、頻繁に会うわけでもないが、ときどき思い出したように電話や短いメールが来たりする。
 モリタには直感で音の鳴るツボを探すような不思議なセンスがある。
音がうまく出なくて周りの皆がお手上げだったノコギリを、ふと拾い上げて弾いてみたら音が出た、という話を聞いたことがある。
人間の機嫌を取るより、音楽の機嫌を知るのがうまいタイプなのだろうか。
 そのモリタが、フクオカさん、フクオカさんと言う。
フクオカさんはミュージシャンで、モリタとどうも気が合うらしい。
 フクオカさんと今度一緒にライヴをする。フクオカさんに自分の音源を聴かせた。フクオカさんが弱音をはいた。フクオカさんに子供が生まれた。フクオカさんが新譜を作っている。
 いつのまにか、ぼくもフクオカさんの事情に詳しくなった気がするような、そんな言い方をモリタはするのだ。
 
 そんなフクオカさんのことを、福岡史朗の音楽として知るのは不思議な体験だ。
「はじめまして」な気分がするような、しないような、不思議な気分でCDを聴いた。
 ナチュラルに曲がるボールという言葉に思い当たった。
クセ球というやつだ。
 たぶん、福岡史朗は音楽の知識や素養があって、いろんな体験もあって、音楽作りを助けてくれる仲間もいるのだろう。
だけど、意地の悪い言い方をすれば、音楽の世界にはそういう種類の退屈もある。
どれだけ人とは違う音楽をやっていますと看板を掲げていたって、やわらかい袋小路に陥るのは、わりと簡単だ。
 問題はきっと、どれだけじたばたできるかなんだ。
おさまりが悪い。性懲りがない。あきらめが悪い。そんなポップスがあってもいいじゃないか。
 福岡史朗のじたばたは、ぼくにはリアルに思えた。この感じ、昔、東京で70年代初めに4人の男子がやっていた伝説的なバンドに確かにあったはずの、あの「いらいら」した感じに似ている。
「風街」よりも「ゆでめん」に近い感じ。今どき受けの悪そうなこのじれったさが、どういうわけか、とても身近に思えた。
 決してモリタがフクオカさんと何度も言ってたからだけじゃない。福岡史朗の歌を聴くのは、妙に後味を引く道草に似ている。
いつか自分がどこかにはみ出したときに、「あいつのせいなのか」と思い出すことがありそうな気がする。
 
松永良平(リズム&ペンシル/ハイファイ・レコード・ストア)
 
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●コメント頂きました●
 
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どこをとっても福岡さん印が活きていて
ほどよいスパイスがぼくを刺激してくれます。
全体の流れもすばらしく
ついついニンマリしてしまいます。
 
権藤知彦/anonymass
 
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ヒリヒリするような言葉と、
ゴツゴツした音達。
 
福岡史朗に駄作なし!
 
今度4時だか5時に会いましょう。
 
高田漣
 
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このハムは美味しいけど、脂はのってない。
無愛想でもあり、誘っているようでもある。
で、その部屋は、簡単には覗くことは出来ない。
 
福岡史朗&ハムの、壊れた食堂車はガツガツと進む。
それを遠くから眺めるのが好きだ。
 
西村哲也
 
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3年前の秋の夜、高円寺のとあるスタジオでのライブで初めて聴いた福岡さんの歌声。
一瞬で恋に落ちてしまいました。
トレーシー・ソーンの歌を初めて聴いた25年前の夏、それともNHKホールで聴いたルー・リード以来の恋だったかも知れません。
そして今年になって、初めて一緒に演奏をさせていただく機会に恵まれました。
恋は成就したのでしょうか、と思った矢先のこのアルバム。
素晴らしい楽曲にのせて歌われる、心を鷲掴みにする本物の歌の数々。
大勢の人が虜になり、そして僕は皆に嫉妬するでしょう。
でも僕はいつまでも最前列で歌い続けます。ウー・ラララ!。
 
影山敏彦/tico moon
 
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ぴったりとはまってしまったのです。
史朗さんの歌声が私のどこかにぴったりと。
ぼんやりとしていた頭がすっきり目覚め
もやもやしていた心がすーっと晴れた様に。
そこには、ぱっちりと目を開けて
大切な何かを思い出した様に
楽しげに歩いている自分がいたのです。
 
吉野友加/tico moon
 
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●お詫びと訂正●
 
アルバムのクレジットに誤りがあります。
mixed by shiro fukuoka except track4 with yoshiki sakuraiとありますが、正しくは mixed by shiro fukuokaです。
ご購入頂きました方々、並びに桜井氏には、ご迷惑をお掛け致しました事を深くお詫び申し上げます。
 
福岡史朗(GINJIN-RECORD)
 
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Ulalala
ULALALA/福岡史朗&ハム
GJR-004
¥2,000(本体¥1,905)
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