電話加入権集団訴訟とは、NTTと国の認可によってもたらされた電話加入権の価値下落による補償を求める集団的訴訟です。

 NTT(旧日本電信電話公社)は、電話事業を独占し、莫大な資産を築いてきました。この莫大な資産は、元を正せば税金ではなく、電話加入者が、電話加入の際に設備料や施設設置負担金等の名目で金銭を支払って電話加入権を買い(このような制度は世界的にみても日本独自のもの)、明治時代に始まり約100年間もの長きに渡って資本を投入してきた財源を基礎にしています。その意味で、現在のNTTの資産は、電話加入者が築き上げてきたものだと言ってよいでしょう。
 昨今の郵政民営化でも、結局国家(国民)の財産が特定の業者の利益のために売却し、甘い汁を吸うことが狙いだったという本質が見えてきました。電話加入権も国家及び国民の資産が蹂躙されているという意味ではルーツは同じです.

 旧日本電信電話公社時代は、電話加入権の他、電電債という債券の購入も電話加入契約時に義務付けていました。電電債は、いわば電電公社の電話加入者に対する借入金ですから、債券購入者には償還されました。電話加入権(設備料や施設設置負担金)も電電債も同じ電話施設等の整備費用として使われています。電話加入権も電電債と同じように電話加入者に償還されるべきものではないでしょうか。

 仮に、電話加入権がNTTによる払い戻し不可能なものだとしても、譲渡という手段をとることによって電話加入者の投下資本は回収されてきました。NTT及び国は、この交換価値さえも一方的に、何ら補償なく奪おうとしています。また、旧電話加入者と新規電話加入者との不平等の問題も生じています。

 明治大学法学部新美教授の意見書によれば、
(1) 電話利用契約を解除された場合には、解除による原状回復義務と
  して施設設置負担金が返還されるべき
(2) 電話利用中の場合は、基本料の一部が値下げされるべき
 という画期的なご意見をいただきました。これに基づき損害賠償論について新たな法律構成をしております。

残念ながら、地裁判決に続き、東京高裁判決でも控訴人(原告)の控訴(請求)棄却となりました。司法官僚による役人身内意識の出た判決と評価してよいと思います。しかし、まだあきらめてはいません。今回はあえて最高裁へ上告せず、電話加入権が全面廃止されたときに改めて、最高裁まで闘い抜くつもりです。

この訴訟について悲観的な考えをもっている人が多いと思われます。しかしながら、逆にNTT及び国は恐れています。いつかは自分たちの誤りに国民が気づくことを。そして怒りの炎が燃え盛り広がることを。国民の無知と従順さにつけ込み勝手気ままに制度を悪用したことを気づかれてはまずいのです。彼らは怖いのです。東京高裁における2008年3月11日の弁論手続きでは、なんと20名近くのNTT社員(代理人弁護士を含めると30名近く)が傍聴席を埋めました。控訴人側は弁護士1人と控訴人1名でした。

電話加入権が全廃されたときには、改めて原告を募り集団訴訟を提起する運動を立ち上げます。

 独占的大企業NTT、及び国を相手に、電話加入者の「NO!」を突きつけ、一緒に社会を変革しようではありませんか。

                               弁護士 野 村 吉 太 郎
                                                     (東京弁護士会所属)
電話加入権集団訴訟

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 電話加入権の購入に際し、販売店(NTT販売特約店含む)から買い戻し保証(買取保証)された方がいることが分かりました。NTTもこれを黙認していたとすれば、新たな法律構成が可能になると思われます(NTTは買い戻しを否定しています)。同様のケースの方の訴訟参加をお待ちしています。


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