第10回「ルソーカップ」詩集
 
   「little oath」  森 美由紀  ★次点
 
今、僕は何も知らないで暮らしている
そんな今の生活(くらし)は
自分の目の前のことさえろくに見えていないのに
やけに安定していると思うんだ
くっきりとはっきりと守られていたし、
考えて考えてやっと出した「答え」をあてにして暮らしていたから
そう道を踏み外すこともなかったと思う
でも、今の僕には、虚ろで見る夢も
明日(みらい)の自分の姿さえ見えてないよ
ぼやけてて、つかもうと手を伸ばせば
 身をかわすようにすりぬけた
手でつかむことができなくて 姿さえ見えない
そんな明日(みらい)に怯えながら過ごす僕は
足さえ出せない自分がいるのに気づいて
 ものすごく なさけなくなった
いつもとなりにいた君だって進んでいるのに
僕は1人「ボケ」っと立っていたんだ
そんで何もしないで ただただ悩んで悩んで
でも「答え」なんて見付からなくて
1人大べそかきながら ただもくもくと泣いていた
手にできない明日(みらい)がもどかしくて
にぶく響く君の声を自分自身だって
信じられなくなる そんな時がある
 
そんな時 何かに「誓い」をたててみる
大きなもんじゃなくてもいい 誰のためでもなく
今、自分のために誓いをたてるんだ
無理でもいい やんないと絶対後悔する
と思った。絶対かなえてやるって誓ったんだ
僕が自分をゆるせなくなるくらいなら
泣いて泣いて泣いて悩んだあげくに
自分で決めた答であるんなら
 まちがいでもいい 当たってなくてもいい
誰かにもらった正しい答なんかより
  ずっと僕らしいし、
 ずっと好きになれると想った
いつも迷う事ばかりだと思う
僕らはいつも「正しい」とか「楽しい」って言葉に弱いから、
でも僕は どんなにつらくてもいい
どんなに時間がかかってもいい
今、行きたい所へ行くんだ
 もうやめたくないよ
今は、ずっとずっと君においてかれないように
 はや歩きで歩いているよ
  もう何も怖くない
 わかったんだ
「手にできるものが かならず形のあるもんとは限らない」って
 わかったから
今はひたすら
 進むだけだよ
さし絵イラスト 森美由紀