音楽CD制作はパーソナルコンピュータの発達と普及により以前のカセットテープ感覚でCDを焼きCDプレーヤで再生して音楽を楽しめる時代になった。不正データコピー等ややこしい問題もありますが、なんと言ってもカセットテープ時代とは比較にならない程向上した音質で音楽CD制作が手軽に出来る事は音楽家にとって最高の環境が整った時代の到来を告げている気がして止まない。カセットテープを進化させた商品としてMDとDATが同じ頃登場し優れた音質で衝撃を与えてから10数年しか経過していない。DATに関しては現在では業務用しか存在しない事からクオリティーの高さが伺える。近年は放送業界等デジタルテープからディスクへ移行する傾向がみられMOレコーダー等様々な業務用の録音機材が多数見受けられる。そんな中、私の録音環境は極めてシンプルである。ピアノを録音するにあたり第一に可搬性に富んでいる事を最重要ポイントとして考えた。第二に録音機材のコストを最低限に抑えた。第三は録音対象をピアノソロに限定し普段使用してるピアノを本人が演奏する。以上三点を考慮しレコーダーにApple社のi-BookG4を選んだ。専用HDレコーダーのFostex社のVF-16も所有しているが可搬性の面でノートパソコンに分があった。レコーダー部分が軽くて小さいと他に嵩張る物と言えばマイクスタンドで、これもピアノに限定した2chステレオ録音なので2本だけの使用である。あとはUSBオーディオとコンデンサーマイク、ケーブル類であるが全てノートパソコンのキャリングバッグに入ってしまう。こんな形でどこへでも録音に出掛けられる。次にコスト面の話になるが早い話高級マイクロフォンを使えばそれだけ良い音で録音出来る。しかしお金の無い私には到底高嶺の花。2本で¥9800-のペンシル型コンデンサーマイクを選んだ。これには理由がある。かねてから仕事先で良い音に仕上げた音色を録音したいと考えていた私にとって、一番大切なのは自分の仕上げたピアノの音色であり音律であり鍵盤タッチの良さを末永く残したいという願望である。よって安価なSAMSON audio社のマイクロフォンとM-Audio社のUSBオーディオ(MobilePre)の組み合わせで今も作業しているが要するに録音される楽器の状態を良くして、よりクオリティーの高い音質で録音すると言う考え方だ。写真で言えば被写体がより美しければチープなカメラでも綺麗に撮影出来る。逆転の発想である。この点は私の職業が大いに幸いした。次にマイク2本でピアノソロに限定した事については機材の最小化が一番の要素であるが家庭のアップライトピアノの個性をしっかり伝える為にアンサンブルを避けたいという理由もある。単純にピアノを主役にしたいだけであるが…。プロの世界では使用ピアノはSteinway等コンサートグランドが当たり前になっているが楽器には多種多様な個性的なメーカーがあり小型ピアノしか製造しない企業も多々ある。プロが使用するピアノには当然理由がありSteinwayのダイナミックレンジの広さとコントロール性の良さは他の追従を許さないかに見える。一方で個性的な製造メーカーのピアノに触れる機会は極端に少ないと思う。コンサート会場には滅多に設置されていないしあったとしても弾いた事のないピアノは嫌がられる傾向にある。そこでこのサイトでは様々なメーカーを取り上げて音色を堪能できるよう進めたいと考えている。アップライトピアノを小さな子供さんが演奏するのも大歓迎だ。人前で弾くレベルでは無いと思い込んでいるピアノ愛好家も多く存在してると実感する。録音して客観的に自分の演奏を聴く事は大切な事だと痛感する。昔のカセットテープの録音と違いデジタル録音でデジタルリバーブ(ホールシュミレーション)を掛けた音は自分の良い面を大いに気付かせ引き伸してくれると思う。テクニックを披露するのではなくマイピアノの響きの美しさをもっともっと知って頂きたい。
06.618