「人生狂想曲」という邦題がついているが、原題は「The Meaning of Life」(人生の意味)。人生の意味をつきつけている。とても笑える映画なんだけれど、実は笑えない。映像はエロ、グロ、バイオレンスである。有り体にいえば不条理な事ばかりだ。
なぜ自分はここに在るのか?
本編の最初はサカナが水槽で泳いでいるシーンからはじまる。サカナ同士会話をはじめる。「何か変わったことあるか?」「ないよ。」「見ろ!ハワードが喰われるぞ!」「明日は我が身だな。」そしてサカナは人生の意味って何なんだろうと考える。
キリスト教では人間をサカナに例える。イエスがペテロに「人間をとる漁師になりなさい」と言うマルコ伝から来ていると思う。映画の折り返し地点では突如、サカナ探しゲームが始まる。画面のどこにサカナが隠れているか?隠れているのではなく、映画を観ている私たち自身がサカナなのだ。
映画は強烈なブラックジョークだ。「パート1出産の奇跡」のエピソードでは、高価な最新機器(ナンセンス)の揃う病院で出産をする人と、コウノトリが子どもを運んでくる貧しい国との対比がすごい。このときのミュージカルが秀逸だ。新教と旧教の避妊に対するスタンスがテーマになっている。避妊については帽子(コンドームのことを仏語で英国式帽子capote anglaiseという)の問題として後でテーマとなる。
教師VS生徒対抗のラグビー試合はアンフェアなことばかりだ。教師連中が一方的に生徒を痛めつける。ノーサイドで終わるラグビーは紳士のスポーツでなかったか。「パート3お互いに戦うこと」のボーア戦争をテーマとしたエピソードでは階級社会の風刺がキツイ。
「パート5臓器移植」のエピソードは悲惨。臓器提供者カードを持っていると、人命救助のために自分の命を犠牲にしなければならない。大宇宙の神秘からすれば人間の命なんてちっぽけで卑しい。・・だから?
「パート6」は食事中には見ないこと。ゲロゲロなり。ウエイターが街に出るときに、ちょっとだけロッド・スチュワートが写っている。
「パート7死」でとうとう死神が登場する。天国の毎日はクリスマスだ。このとき「中年」のエピソードで哲学者について会話していたお気楽な中年夫婦が出てくる。この夫婦、実は既に死亡していたのかも。人生の意味なぞ知らなくても死は必ず訪れる。
本編の前に「クリムゾン 老人は荒野をめざす」という短編がある。これも皮肉。
笑える映画だけど、人生の意味についていろいろ考えさせられる。この映画をきっかけに僕はパイソンズが好きになった。
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