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「母の日」に
 
朝はちょっとだけ仕事。
そのあと、ギターのレッスン。床屋。
 
 
レッスンの帰り。13時頃。バイクで自宅に戻る途中の出来事。
踏みきりで遮断機が下り、前方のクルマが停まったので、すり抜けで車列の前方に出ようとする。
マイクロバスの横を抜けると、黒塗りのクルマ2台とその前に霊柩車が停まっている。
 
四つ木か町屋の斎場(火葬場)に行くクルマだと思った。
 
 
何となく霊柩車の横を抜けるのは気が退けてしまい、
結局黒塗りのハイヤーの横に停まる事に。
とっさにヘルメットのバイザーを下ろした。
「見ちゃいけない」と思いつつ、ハイヤーの車内を見てしまった。
 
ハイヤーの窓に写り込んだバイク越しに見える光景。
助手席には年配の女性がハンカチで目頭を押さえて座っている。
僕のすぐ隣の後部座席には、中学くらいの女の子が。
両手で顔を覆いしゃくりあげて泣いている。
角度的に、後部座席全体を見られない。
 
女の子の震える肩を抱き寄せるように、背後から右手が延びてきた。
後部座席で女の子の隣に座っていた、高校生くらいの男の子だった。
抱き寄せる時にチラリと見えたが、女の子のお兄さんだと思った。
 
兄は妹の右肩から右腕を握り、さすり出した。
力を込めて、何度も何度も。
「元気出せ、僕がついてる」と兄の右手は語っていた。
 
妹をなぐさめているんだと思った。
 
霊柩車に乗ってるのは誰だろう。
二人の父親か母親か。どちらだろうか・・。
 
 
遮断機が上がり、クルマが動き出す。車線と車線の中間地点にいた僕も、明確に車線を変えて走り出す。
しばらく併走する。
霊柩車が左折しようとしたので、ちょっとだけスピードを上げて追い抜いた。
 
 
さっきの霊柩車に乗ってるのが誰かなんて・・。
運転中に考えるのは止めよう。
 
クルマの中なんか、見なきゃよかった。
 
 
 
 
 
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2007年5月14日月曜日