ソロモン以後
 
第272号  ネブカデネザル    02/07/18
 
    この書物の預言の言葉を聞くすべての者に、わたしは証しする。
    これに付け加える者があれば、神はこの書物に書いてある
    災いをその者に加えられる。
    また、この預言の書の言葉から何か取り去る者があれば、
    神は、この書物にかいてある命の木と聖なる都から、
    その者が受ける分を取り除かれる。
                  (ヨハネの黙示録 22章18〜19節)
 
                For I testify unto every man
                that heareth the words of the prophecy of this book,
                If any man shall add unto these things,
                God shall add unto him the plagues
                that are written in this book:
                And if any man shall take away
                from the words of the book of this prophecy,
                God shall take away his part out of the book of life,
                and out of the holy city, and from the things
                which are written in this book.
                                                                         ( REVELATION 22:18〜19 )
 
 
読者のみなさんは「日記」をつけておられますか。
わたしは「十年日記」を愛用しているのですが、
昨年2001年7月20日のページに目がとまりました。
秦美代子姉妹(現在65歳)が教会にやってくるなり尋ねました。
「先生、ネブカデネザルって何でしょう・・・?」
 
ダニエル書に登場するバビロンの王の名前である。
この人はすごい権力者で、絶対君主。大バビロンの輝けるトップの座にいた。
エルサレムを撃ち破り、神の家の全てのものを奪い取り、
ユダの王エホヤキムや多くのユダの人々を捕囚として携えていった王である。
 
この大王を悩ませたという出来事がダニエル書の第二章に書かれている。
それは「夢」のこと、ネブカデネザル王が見た夢、それが彼を悩ました。
とてもおそろしいスケールの大きな夢であった。
天に居ましたもう神さまから見せられたものだという直感で、
彼はなんとかその夢の「解きあかし」を得たいと思った。
なにしろ、その夢を見てからと言うもの「不安」になり、眠れなくなった。
王はバビロンの占い師、祈祷師、まじない師、賢者たちを緊急に召集した。
 
王の前に集まったこの国のすべての頭脳に向かって、自分のいまの悩みを語った。
「夢」を見たので、そのために思い悩むというのである。
人々は何だそんなことか・・・。それなら簡単に解決できると思った。
そして、彼らは即座にこういった。
 
    どうぞ僕らにその夢をお話ください。
    解釈を申し上げます。
 
ネブカデネザル王はさすがに大王であった。
「真実」を求めていた。ごまかしはこりごりしていた。
これこそ本当という「解きあかし」が欲しかった。
「真実」に対しては、大きな報いをもって臨もうとしていた反面、
うそ、いつわりを極度にいみきらった。
どうすれば「真実」が明らかになり、虚偽が葬れるかと、考えた末に、
非常な「智慧」が浮かんだ。
そうだ。「真実」を解答できる人ならば、
きっと自分の見た「夢」を言い当てることだって出来るはずである。
まずは資格審査から始めようという「智慧」であった。
 
    わたしの見た夢を言い当てよ。
 
これには、このバビロンの「頭脳」たちは驚いた。
かつて、そんな難問を出されたことはない。
その「答え」は目の前に座っている絶対権力者、ネブカデネザル王が握っている。
仮に、その「夢」はこういうものでした・・・などと言ってみたところで、
「そんないい加減なことを言うな」と一喝されるだけでなく、
たちまち、この生命が奪われてしまう。
すでのその「真実」は王の手にあるのだ。
 
    さあ、夢を話してみよ。
    そうすれば、解釈できるかどうかも分かるだろう。
 
こう迫られて、さすがの賢者たちは心底驚いたのであった。
自分達は、いつもはうまく立ち回って、心のもっとも深い所を隠して、
生き延びて来てはいるが、この度はいよいよ大変なことになってしまった。
これで「年貢」の納めどきをむかえたか・・・。
 
    王様のお求めに応じることのできる者は、
    この地上にはおりません。
 
「そうか、それは当然だ」と納得してくれるかと思ったが、
ネブカデネザル王は決して納得しなかった。
それほど、彼は真剣だった。「真理」に飢え乾いていたのだ。
一般の人々ならば、このへんで折れるのだが・・・、
彼は駄々っ子のように、言い放った。
 
    皆殺しだ。
 
王は激しく怒った。憤慨した。
これがいつも賢い顔をしている「バビロンの智者」か。
こんな、些細なことも出来ないものが、尊大な顔をしていることに腹が立つ。
そんなこんなで遂に、バビロンの知者を処刑にするという定めが出されてしまった。
ユダ人の知者であるダニエルもハナンヤ、ミシャエル、アザルヤも殺されることと
なって、王の侍従長アルヨクがやって来た。
ダニエルは思慮深く賢明に応対して、彼に尋ねた。
 
    どうして王様はこのような厳しい命令を出されたのですか。
 
侍従長アルヨクはダニエルに事情を説明した。
ダニエルは理由がわかったので王のもとに行って、こう願った。
 
    しばらくの時をいただけますなら、解釈いたします。
 
ネブカデネザル王は「よし、しばらく待とう」と返事した。
ダニエルは仲間である三人に事情を説明して、
天の神、いままで常に導き守って下さった大能の神、
イスラエルの神に向かって、憐れみを願い、その夢の秘密を求めて祈った。
すると、夜の幻の中で天の神がその秘密をダニエルに明かされたのである。
ダニエルは天の神をたたえ、こういった。
 
    ハレルヤ。
    知恵と力は神のもの。
    ・・・
    今、願いをかなえ
    王の望むことを知らせてくださいました。
 
アリヨクはおそるおそるダニエルを王のもとに連れて行って・・・
 
    ユダの捕囚の中に、一人の男が見つかりました。
 
そういう次第でダニエルは王の前に出て、夢を言い当て、その解釈をしたのである。
それは紀元前580年というから、それから2600年近くたった現在にも大いに関係する
預言であり、その解きあかしである。
 
    お休みになって先々のことを思いめぐらしておられた王様に、
    神は秘密を明かし、将来起こるべきことを知らせようとなさったのです。
 
ダニエルはネブカデネザル王の見た夢を見事に言い当てたのだ。
王は驚いた。更にはその秘密の解きあかしを聞いて、ひれ伏しこういった。
 
    あなたがこの秘密を明かすことができたからには、
    あなたたちの神はまことに神々の神、
    すべての王の主、秘密を明かす方にちがいない。
 
その夢は巨大な、輝きをもった一つの像、見るも恐ろしいものでした。
その像の一番上の頭は純金、そして次に下をみると、銀、青銅、鉄となり、
足にいたっては鉄と粘土で出来ていました。王が見ていると・・・
ひと手によらずに切り出された「一つの石」がその像の足を打ち砕き、
その破壊力は絶大なものでしたから、その像はこなごなに砕けちり、
遂にはもみ殻のようになり、風に吹き払われて、跡形なく消えてしまいました。
その像を打った石が大きな山となり、全地に広がったというのです。
 
解釈はこうでした。
その金の頭はあなたネブカデネザル王です。
あなたの後に他の国が興ってまいりますが、これはあなたに劣るもの。
銀の国、続いて青銅の国、第四の国は鉄の国。
それは鉄のように強いがすべてを打ち砕きます。
あらゆるものを破壊する鉄のように、破壊を重ねます。
足と足指は陶工の用いる陶土と鉄とが混じっているので、
この国は強い面もあり、もろい面もある。
 
    鉄が柔らかい陶土と混じり合っているのを御覧になったように、
    人々は婚姻によって混じり合います。
    しかし、鉄が陶土と溶け合うことがないように、
    ひとつになることはありません。
 
何という驚くべき預言でしょうか。
わたしたちが今生きている世界の実相、そのものでありませんか。
いまは実に「鉄と陶土」の時代です。
これからどうなるというのでしょう。
 
そこに天の神の御計画が端的に表現されています。
天の神は「人手によらない一つの国」を興されるのです。
この国は永遠に滅びないし、その主権は他の民の手には渡らず、
全ての国を打ち滅ぼすというのです。
これからわれらは、その預言の成就を実体験することになります。
 
    山から人手によらず切り出された石が、
    鉄、青銅、陶土、銀、金を打つのを御覧になりましたが、
    偉大な神は引き続き興ることを王様にお知らせなさったのです。
    この夢は確かであり、解釈もまちがいございません。
               (ダニエル書 2章45節)
 
 
 
 
               MAIL: mizu_to_rei@mac.com