マメに中古屋を覗いていると、相当の頻度でこのレンズが売られているのを見かける。しかも、せいぜい5,000円+程度の価格で。レンズとしては破格の安さだが、まぁ大きさや造り仕様的にこんなもの、なのかもしれない。いっとき、Lomoあたりから火がついて、ロシアン・カメラブームが沸き起こって、流行りモン好きの人達がとびついていたが、その時にSLR用のこのレンズも値頃感もあって恐らく大量に日本に入ってきたものと思われる。
俺も、安いんで(期待せず)買ってみた。ちなみに買った店では同じレンズが二本、売られていたが
最初に手にした方は、店員も気がついていないようであったが絞りリングを回しても絞られない(ずっと開放のまま)という不具合が起っていた。グリスの粘度変化か何かで、恐らく開放側に食いついてしまったのであろう。もう一本は問題が無かったので、結局そちらを購入したが、マメに使っておかないと、このような不具合を発症する可能性がある、ということに留意することにする。
所謂よくあるパンケーキレンズよりもさらにもう一回りは小さいと思われるほどのサイズなので、兎に角小振りでカワイイ。しかしここまで小さいと、レンズ操作に細かい指の動きが必要とされる上に、絞りリングがレンズ先端の、しかも外縁ではなくて前玉リムの内周側に、フランジが立つようなかたちでひっついており、一応指を掛けやすいようローレットは切ってあるのだが、はっきりいって操作性は非常に悪い。
またピント合わせしてから絞りリングを操作すると(ピントリングを押さえておくという工夫をしなければ)ピントリングも一緒に回転してしまう。
なおこのレンズには、キリル文字版と、アルファベット文字版が存在しており俺のIndustarはキリル文字版。アルファベット版のフィルター径は45mmなのだが、キリル版は非常に中途半端な43.5mmという径のため未だにこれに合うフードを見つけられずにいる。。。
こんな安物&操作性悪いレンズではあるのだが、しかしその写りは値段や見かけに不相応なくらい、しっかり写る。もちろん、コントラストやシャープネスでは、最新現代レンズと較べ見劣りすることは間違い無いのだが、しっかりとピントさえ合わせられれば、F3.5始まりのこのレンズでも意外と色々な表現をかなりの精度で作りこめられるので(操作性が悪いこともあり)使いこなし甲斐のあるレンズである。おまけに、こんなに小さく安いのに(笑)、絞り羽根が8枚もあるので、ボケの出方が結構上品なのだ。
でも、このレンズを使う、一番の意義は実は、これが「あの」Elmar 50/3.5のコピーである、ということ。
最初はL39マウントでバルナックライカのコピーカメラ用に、作られたらしいがそれをM42マウント版に移植したという経緯を持つ。(ただし絞り羽根は、Elmarとは違いレンズの2・3群間に置かれているため、Elmarというより更に本家?のTessarに近いといえるのかもしれない。ま、エレメント構成的には基本的に一緒だが。。。)
ということで、時間と気持ちに余裕があるときに、ブラリ散歩に持ち出すと楽しいレンズ。