遺伝性出血性毛細血管拡張症と肝動静脈瘻
遺伝性出血性毛細血管拡張症と肝動静脈瘻
遺伝性出血性毛細血管拡張症:HHTは、軽微な鼻血や口唇、口腔粘膜等の毛細血管拡張が症状の場合もあれば、肺・肝・脳の動静脈瘻による、より重症で多彩な症状を呈することもあり、同じ家族内のHHTであっても、症状が異なることが多いことは良く知られています.

自然歴(無治療で見た場合の予後)や治療方法、肝移植の適応等、分かっていないことが多いです.多くの場合、瀰漫性に動静脈瘻が認められることが多く、その血管構築の複雑さから塞栓術の対象になることは少ないです.また、塞栓術の治療成績が不良で、20%が死亡するともされ、保存的治療が奨められることが多いです.
このHHT患者さんのCTは、造影剤投与初期像で、拡張した肝動脈が強く造影され、拡張した門脈と肝静脈が淡く造影されています.右葉に、門脈ー肝静脈シャントが、左葉に、冠動脈ー門脈シャントが認められました.肺の動静脈瘻の診断には造影のCT検査はいりません.しかし肝臓の動静脈瘻の診断には造影のCT検査が必要です.肺から肝臓まで一回、一連で検査が可能なため、造影のCT検査でdymanic studyをする方が、血行動態が良く分かり、両者の診断を一度に出来るという意味で有用です.

腹腔動脈造影:拡張した肝動脈が認められる.

上腸間膜造影:門脈ー肝静脈シャントが認められる.
検査データに異常がなくてもHHTの患者さんの頭部のMR検査を行なうとT1強調画像で淡蒼球に高信号が左右対称性に認められることがあります.逆に、頭部に動静脈シャントがないか検索を行なったとき、このT1高信号が、認められれば肝臓にシャントがないか疑って検査を進めます.

MR検査のT1強調画像
高信号は、マンガンの沈着を現すとされ、門脈-体静脈シャントが原因であり、肝機能障害を示唆する.
2007.7.16記、2007.10.17、2008.7.16、2008.8.11、2009.1.16、2009.1.16追記