肺の動静脈瘻がある場合の歯科治療時の

予防的抗生物質投与に関して

肺の動静脈瘻(肺動脈と肺静脈の間のシャント)を持つ患者さんは、歯科治療時に予防的抗生物質投与が必要です.


これは抜歯などの治療時に血液中に菌が入り菌血症状態になるからで、通常、菌血症になっても肺がフィルターとなるため、予防的抗生物質投与が無くても大きな問題になることはありません.しかし、肺の動静脈瘻があれば、この部ではフィルターがないために静脈系から動脈系に菌が入り込み、もっとも重症の合併症である脳膿瘍になることがあります.脳以外の部位にも膿瘍を作ることもあります.


脳膿瘍とは、脳そのものの中に膿が溜まる場合や脳の表面に膿が溜まる場合(硬膜下膿瘍と言います)があり、意識障害、けいれん、半身麻痺などが出現し、致命率も高く、治療を行っても後遺症を残す場合が多いです.これを予防するために、歯科治療時や傷を伴う外傷の時には、予防的抗生物質投与が必要です.


また、遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT)で肺の動静脈瘻の治療後の患者さんも小さな瘻が残存している可能性があるため、やはり予防的抗生物質投与を行った方が良いとされています.


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2007.10.3記