4:30 起床。
目覚めの珈琲を飲み、握り飯を食べ出発。
最寄り駅で自転車を解体し、輪行袋へ詰める。
日暮里駅を経由して上野駅へ向かう。
時間は、7時前。通勤ラッシュが始まる前に到着。
7:10 上野駅発のやまびこ43号に乗車。
8:20 郡山駅着。
自転車を組み立て、駅近辺を軽く散策した。
その後、県道6号に出て、御霊櫃峠へ向かう。
県道6号は、車の交通量もあり、快適とは言い難い。
10:10 御霊櫃峠13kmの標識。案内板に従って、右折。直後、左折。
すると状況が一変した。
静かだ。車がほとんど通らず、黄金色の稲穂が道の左右に広がる。
雲に隠れていた太陽が顔を出し、陽が差してきた。
農村風景に包まれ、のんびりとペダルを漕ぐ。
次第に山の気配が濃厚になる。
案の定、上り坂が見えてきた。
フロントギアをインナーに入れる。
御霊櫃峠への案内板が左折を促す。
10:45 登坂開始。
道は狭く、車がすれ違うのも困難なのだろう。所々に待避スペースが設けられている。
既に長袖シャツを脱ぎ、Tシャツ1枚。腰を据えて、じっくりと登る。
徐々に標高をあげてゆく。風は次第に強まる。
11:30 未舗装の駐車場に自転車を止め、煙草に火を付ける。
霞がかってよく見えないが、遠く眼下に郡山市内が確認できる。
随分と登ったものだ。
11:45 御霊櫃峠に到着。
風がすさまじい。汗は完全に引き、体が震える。寒い。
眼下に猪苗代湖が広がる。
長袖シャツを着込み、下る。
道は相変わらず狭く、うねっている。
ノンブレーキでは下れない。
途中、すぐ近くで水の流れる音が聞こえた。
自転車を止め、音のするほうへ足を運ぶ。
澄んだ水が流れる小川が現れた。
河原に降り、水に手を浸す。
冷たい。しばらく水遊びをした後、再び下る。
すぐに猪苗代湖の東岸に到着。
腹が減っている。
そういえば、早朝に握り飯を一個食べただけ。
湖のほとりを走る道を南下。
猪苗代湖は観光地であるため、食堂はすぐに見つかると思ったが、甘かった。
時々、売店や食堂の看板を見かけるが、随分前にシャッターを下ろした気配が漂う。
寂れている。
どうやら湖の東岸は観光地として栄えていない様子。
既に13時を過ぎているが、食事ができそうな店が見当たらない。
空腹の絶頂。
しばらく走り続けると旅館「太田屋」を発見。
食事もできるようだ。
旅館内は照明が落ちている。
人の気配がない。
何やら怪しげな雰囲気だが、背に腹はかえられない。
声をかけると、旅館の女将が現れた。
お勧めに従い「赤はら天ぷら定食」を注文する。
赤はらとは、猪苗代湖で穫れたハヤのこと。
これが、結構旨い。
そして飯が旨い。
どうして、東北などの寒い土地は、こうも飯が旨いのだろう。
ご飯のおかわりを頼み、腹を満たす。
気分は上々。怪しげな、などと言って申し訳ない。
再び、自転車を走らせる。
湖畔は平坦で走りやすい。
そう思い込んでいたのが、運の尽き。
再びの峠越え。赤崎小倉沢線という林道。
この林道が結構長い。
先ほど、昼食を食べていなかったら、登れなかったろう。
15:00 山中で会津若松市と書かれた看板。
通り過ぎ、反対側から看板を見て愕然。
郡山市と書いてある。
今日、これだけ走って、やっと郡山市を抜けたというのか。
自分の脚力を嘆く。
だが、一般的に県や町の境目は、峠の頂付近にある。
要するに後は下りだ。
ここから一気に下り、とっとと猪苗代湖を離れ、会津若松市を抜けて、喜多方市へ行くのだ。
既に陽は傾き始めている。見知らぬ土地で、夜に自転車を走らせるのは避けたい。
気持ちがあせる。
だが、そんな気持ちをあざ笑うかのように、再びの登り。
こんな所で、ちんたら遊んでいる場合じゃない。
その気持ちが、ペースを乱す。
約10kmの林道を抜けて、再び猪苗代湖湖畔へ。
走っても走っても、猪苗代湖から脱出できない。
徐々に気力と体力が奪われていく。
そして、再びの登り。
疲労が蓄積している。
なんとか走り抜け、R49号線に合流したときは、既に16時を過ぎていた。
左折すれば、喜多方市へ。右折すれば猪苗代湖北岸へ。
地図を開く。ここから喜多方市までは25kmほどあるようだ。
右折すれば、すぐに猪苗代湖北岸。そこには、国民宿舎がある。
料金が高ければ、そのまま翁島駅まで行こう。
駅まで行けば、安いビジネスホテルぐらいはあるだろう。
駅までの距離は10kmといったところか。
予定変更。
夕陽を背に受けながらR49を猪苗代湖北岸へ向けて走る。
地図で見つけた国民宿舎「翁島荘」の入り口にたどり着いた。
隣にはセブンイレブン。
セブンイレブンの駐車場に自転車を止め、宿に電話を入れる。
一泊二食付きで約8,000円だという。
高い。なんとか安くならないか、と尋ねる。
夕食なしの一泊一食付き(朝食のみ)のプランは約5,000円だという。
目の前にセブンイレブンがある。ここで夕食の弁当を買えば良いだろう。
そう考え、一泊一食付きのプランを申し込む。
夕食の有無で3,000円違うとは。
いったいどんな料理だろうかと、少々、気になる。
投宿する前に、少し散歩しようと思い、湖畔を歩く。
すると国民宿舎「翁島荘」の隣にセブンイレブン。
そのセブンイレブンの隣にもうひとつの国民宿舎があるではないか!
一泊二食付き6,800円と書かれている。
吹き抜ける風が冷たい。
セブンイレブンで弁当を買い、「翁島荘」投宿。
早速、風呂に入る。あぁ、極楽、極楽。
そして、今日、着ていた下着と服を洗濯。
予備の下着は二着あるため、本来、今日は洗濯不要であった。
ただ、一枚しか持ってきていない長袖シャツが鳥の糞の直撃を喰らったのだ。
しかも、左手首付近の袖口。額の汗を拭う際、密着する可能性のある場所。
稲見一良の「ダック・コール」を読み、自然動物(特に鳥類)に対する敬愛の念を深めていたのに、恩を仇で返された気分だ。
まぁ、良いさ。
明日の行程を考え、この酒を飲んだら、眠るとしよう。
写真は、猪苗代湖湖畔より。