睡眠と夢
by立花ゼミ睡眠班
 
 
 
 
           はじめに
 立花ゼミでは、去年の夏ごろから冬にかけて、睡眠研究に携わる方々に取材を重ねてきた。ここでは取材活動を通して得られたものの中から、「健康な生活のための睡眠」を得るにはどうしたらいいかをご紹介したいと思う。
 まず断っておかなくてはならないのだが、これからアップされていくことは、すべての人にとって有益なものではない。というのは、周囲を見渡すと、3時間しか寝ない人や14時間も寝る人、1日を何回かに分けて寝る人など、睡眠科学的に見ればとても誉められたものじゃない睡眠生活をおくっているにもかかわらず、健康上まったく問題なく生活している人がけっこうたくさんいるからだ。(すこしも寝ることのない、無眠者と呼ばれる人たちもいる。)そして既に健康な生活をおくっていて、睡眠にはとくに困っていないという人、もともと自分の睡眠には満足していて、睡眠に関する知識なんてまったく必要としていないという人にとっても、この記事が興味をひくものかどうか怪しい。しかし、睡眠に何らかの問題や悩みを抱えている人には、何かしら利益はあるだろうし、多少なりとも新たな発見のようなものはあるのではないかと思う。
 もうひとつここで言っておかなくてはいけないことがあって、それは本来なら去年の秋ごろには記事を作るべきだったということだ。数多くの睡眠研究者の方たちに取材をさせていただいたのが、夏の終わりから秋にかけてだった。そしてどの研究者の方も惜しみなく時間を割いてくれて、好意的に様々なことを教えてくれた。そんな貴重な得がたい機会を与えてもらっていながら、どうしてもそれを記事にすることができなかった。その結果、取材から半年以上もかかってやっと記事ができた。今振り返ってみると、とても申し訳なく思う。そして取材に協力してくださった次の方たちにここで感謝の意を表したいと思う。このページで紹介されていることは、全て以下の方々、あるいはここには書かれていない睡眠研究者の研究の成果を集めたものである。
 平成19年度第2回睡眠文化研究会には、オブサーバーとして参加させていただき、大変参考になる議論を聞くことができた。鳥居鎮夫東邦大学名誉教授と福田一彦福島大学教授には、同研究会に先だって取材をさせていただいた。また、特に堀忠雄広島大学教授には8月30日に広島大学において長時間に渡る取材をさせていただいた。また、ロフテーの設立した睡眠文化研究所(HPはこちら)の鍛治恵所長には、膨大な資料を提供していただいた上、多大なご協力をしていただいた。改めて感謝の意を表したい。
 
平成19年度第2回睡眠文化研究会で御意見を伺った方々(敬称略・五十音順)
 
有富良二 睡眠文化研究所前所長
鍛治恵 睡眠文化研究所現所長
重田眞義 京都大学大学院アジアアフリカ地域研究研究科 准教授 文化人類学
高田公理 武庫川女子大学生活環境学部 教授 社会学
豊田由貴夫 立教大学観光学部 教授 文化人類学
鳥居鎮夫 東邦大学 名誉教授 大脳生理学
福田一彦 福島大学共生システム理工学類 教授 精神生理学
藤本憲一 武庫川女子大学生活環境学部情報メディア学科 准教授 社会学
堀忠雄 広島大学大学院総合科学研究科行動科学講座 教授 精神生理学
松浦倫子 睡眠文化研究所研究員 (所属等はすべて2008年3月時点
 
 不眠の元となる要因は、大きく分けて次の三つが挙げられる。
1、身体的要因
2、環境的要因
3、心的要因
 1、の身体的要因とは、例えばかゆみによって眠れないとか、睡眠時無呼吸症候群によって眠れないなどである。2、の環境的要因とは、文字通り騒音や照明環境などの環境によって眠れないことである。3、の心的要因は統合失調症、神経症などの精神疾患や、ストレスによる不眠である。この記事では、身体的要因と環境的要因とを扱い、心的要因は扱っていない。また、全体を通して健康な生活をおくるための睡眠というテーマで書かれているものの、第3回までは「最新の睡眠科学レポート」という形式で、第4回以降は必ずしも睡眠科学の扱う範囲でないことについて、睡眠研究の分類で言えば睡眠文化研究の視点から、立花ゼミなりに書いた。ここに書かれていることを読んで、少しでも健康な睡眠生活をおくっていただければ幸いである。
 そして最後に、この記事において「健康な睡眠生活」とはどういう生活のことをいうのか簡単に定義してみると、
・毎日ほぼ規則的な起床、就寝ができている
・だいたいの夜において不眠がない
・日中の十分な覚醒が得られている
ということになる。
(これはあくまでもこの記事の中だけでの定義で、睡眠科学界や医学界の定めたものではないことをお断りしておく。)
 
 
 
健康な生活を送るための睡眠