昔、俺が小学生の頃は、秋田市に出かける
なんてのは大変な行事だった。
一年に一回あるかないか、親父は公務員だったから、ちゃんとネクタイして背広着て汽車で出かけた。小学生の俺と保育園くらいの弟、親父と母親の四人。
木内デパートの食堂の光景しか記憶にないが、そこで食べたホットケーキが鮮烈な印象だ。その甘ぁ〜い密の味と香り。異文化に感動した最初の体験かもしれない。
その香りと味の秘密がメイプルシロップであったことに気づくのは、18歳で東京に出てからだ。同様に、ホットミルクを注文して、その甘ぁ〜い香りのとりこになった。
それはバニラエッセンスのなせる技だった。
今でこそ、どこのスーパーでも売ってるものだが、当時は青山の紀伊国屋ストアくらいにしかなかったと思う。いや、製菓コーナーで探せなかっただけかもしれん。
一度、誘惑にかられてバニラエッセンスを舐めてみた。ひどくにがかった・・・。
どんどん身近に西洋があふれてきた。中学1年で、ビートルズの来日を迎えた。
当然のようにギターを買った。 エレキもフォークもこの田舎にはいっぺんにやって来た。 当時俺は吹奏楽部で太鼓をたたいてた。
中学3年で、ジャズの学生ビッグバンドが角館に来た。
自然と歩いていく方向は定まって来た。耳コピとバンドに明け暮れた。
勉学に打ち込まない理由と弁解も身につけた。
そんな、俺の70年代初期・・・。