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Murray vs Roddick 6-4, 1-6, 6-1
いつも1-6, 6-1のようなスコアを見て不思議に思うのですが、一体選手たちに何が起こったのか? これはよくいわれるモメンタムの問題で、これはメンタル作戦の領域です。なぜボロ負けしたあとボロ勝ちすることができるのか? 多分選手にとっても、あっと言う間の出来事だったと思いますが、一体マリーvsロディック戦で何が起こったのか?
マリーvsロディック戦は、マリーのソフトに対してロディックのハードの硬軟の対比が面白く、クウォリティーの高い盛り上がりのある試合となりました。しかし予想通り、マリーが総合点の上で上回る優等生ぶりを発揮して勝利をあげました。
私はまずロディックの変わりように驚きました。髪を剃ってみるからに僧侶のようなロディックで、彼のテニスも忍耐の鬼のように我慢を続け、なんとunforced errorはわずかに19です。(マリーは23。フェデラーは50)マリーにとっては、ラリーをつづけることがテニスの基本になっていますので、チャンスがくるまで辛抱強く待つテニスはヘイチャラです。しかしロディックは禅修行をしてきたかと思われるほど、我慢してきわどいところは狙わず、ここぞと思ったときに迷わずウィナーを狙うメリハリのあるテニスができるようになったのは大進歩です。
第2セットは、ロディックの今後を歩むべき道を象徴するようなテニスをしました。彼のテニスはあくまでもオフェンスです。第1セットは丁寧にやりすぎて、ミスは少なかったものの攻撃力に欠け、マリーにセットをとられましたが、第2セットは執拗なほどネットダッシュを繰り返し、マリーにプレッシャーを与えました。マリーはミスが重なって0-3で2度目のブレークを許してしまいます。そうするとマリーのわるい癖がでて、すべてがディフェンスとなり、ますますロディックの攻撃を止めることができません。ロディックもサーヴ&ヴォレー、リターンダッシュとネットダッシュをし続け、第2セットは6-1でロディックの圧勝となりました。
第3セットですが、6-1と2セット目を大勝したロディックがなぜもろくも1-6で大敗してしまったのか?
まず、マリーが第2ゲームで早々にブレークに成功したことがマリーを強気にさせました。ロディックは昔とくらべてヴォレーがとてもうまくなりましたが、アングルヴォレーでウィナーがまだとれないでいます。カーロヴィッチのように、スムーズにネットダッシュして、見事にオープンコートにウィナーを決めなければ、ネットダッシュは自殺行為です。
しかもロディックはネットダッシュのタイミングに問題があります。今日の選手はパッシングショットの技術がすぐれているので、アプローチショットが甘ければ命とりとなります。マリーはロディックの足もとに落とす。わざとショートボールでロディックをネットにおびき寄せる。そしてネットに来たロディックにトップスピンロブを上げる。何をやっても答えを用意しているマリーに向かって、ロディックは頑固にネットダッシュを続けますが、もうパターンを知り尽くしたマリーは、ロディックを翻弄して6-1の大差で初戦に白星をかざりました。
マリーに続けてプレッシャーを与え続けるには、第3セットはネットダッシュのプランAだけではなく、プランB、プランCが用意されていなければなりません。勝敗の原因は、手が読まれてしまっているプランAに固執したロディックの作戦負けと、総合技術に優れていたマリーの勝ちというところでしょうか。
マリーはもともと技術、戦略の面では、トップスリーに入るほどの実力がありながら、感情のコントロールができずに自滅パターンで負けてきた選手ですので、メンタルを強化していけば、誰に勝っても不思議でない選手です。第2セットを1-6で落としながら「冷静さを失わなかった」マリーは、さらに大きく成長しました。
以下がマリーのコメントです。
「第1セットはうまくプレーできた。でも第2セットではブレークチャンスがあったのに逃してしまった。そのときロディックは猛烈にアグレッシブになってきて、彼にのまれてしまった。」
「でも第3セットにはよいプレーができるようになって、そのまま順調に勝つ事ができた。でもコートがスローなので試合はタフだった。ジェットラグ(時差)にも悩まされているから体調ももう一つなんだ。」
厳しい時差と風俗習慣の違いの中で選手たちは頑張っています。
Wednesday, November 12, 2008
安定した強さをみせるマリー: 2008 上海マスターズカップ