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h.oの小川くんと知り会ったのは彼らがフィリップモリス展でNYに来ていたときで、お金に困っていた僕がバイトで彼らの通訳をしたのがきっかけだ。展示してくれた作品は、片方のライトに触れるとネット回線を通じて、離れたところのもう一つのランプが点いたり消えたりする。遠距離恋愛を長くしていた僕は、そんな小川君のロマンチックな側面に敏感に反応してしまう。
馬場正尊 MASATAKA BABA
元は会社の同期入社の彼とは数年後に当時住んでいた中目黒のそばのコンビニで再会。その後、彼が編集長を務めた季刊誌[A]ではずいぶん一緒に仕事をさせてもらった。今回の作品にある、一つの家の下で二つのグラスに離れて生活する二匹の闘魚(ベタ)は、学生結婚・離婚を経て最近元の鞘に収まった彼の考える、夫婦の適切な距離感だという。パーティ当日に片方のベタが死んでしまっていたのはご愛嬌。
タムラサトル SATORU TAMURA
02年のフィリップモリスの展示で、ガンダムプラモ(ザク)が一瞬にしてゴルフクラブで破壊されるのがループするビデオ作品を見て、その徹底的な無意味さと暴力性にファンになった。今回の展示作品は、ハンズで買った新郎新婦の置物に穴を空けまくって百分の一グラム単位までキリのいい重さにした、別シリーズの新作。作品に余計な意味がはりつくのを嫌う彼だけど、「結婚」への世間的な甘ったるいイメージを徹底的に無意味化するかに見えて気持ちいい。
林憲明 NORIAKI HAYASHI
NYでのフィリップモリスの展示で、星空をモチーフにしたペインティングを見て僕はノックアウトされた。自身の内面にある風景をミニマルな筆致で描き続ける彼の「パーフェクトワールド」シリーズは、僕の中で村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」と呼応する。そして今回の、ビルの谷間から見上げた空に二つの星が輝く新作は、僕が仕事の合間に夢想した風景と呼応していた。
伊藤昌平 SHOHEI ITO
彼と出会ったのは、NYのセントマークスにあるスターバックス(カフェのある方)。お茶をしていた僕ら二人に彼が時間を聞いてきたのがきっかけだ。時計を持っていなかった僕ら二人と同じく彼もしばらく後に東京に戻り、今は割と近所に暮らしている。「接点」と題された今回の作品でも、僕らの出会ったNYと様々なイメージが何気なくつながっている。
秋山さやか SAYAKA AKIYAMA
秋山さんは世界各国いろんな場所を歩く。その歩いた結果が、作品になる。他の人にはなんでもないところでも、彼女が歩くと何かが起こるらしい。楽しいことであれ、ちょっと不幸なことであれ。今回の展示のために春のある晴れた一日、あゆみと3人でうちの近所を散歩をした。不思議に発見の多い散歩だった。そして、それは素敵な作品になった。
クサナギ シンペイ KUSANAGI SHINPEI
02年のフィリップモリスの展示で知り合ったクサナギくんはシャイでクールな皮肉屋だ。彼の絵はこのごろどんどん抽象度が増している。今回の作品も感覚的に好きだけどそれをうまく言葉で表すことができない。ましてや、結婚というテーマにどう結びつくのかは同じくシャイな僕には聞くことができない。
TATTAKA
僕が経堂でばあちゃんと一緒に暮らしていたころに、近所に面白い展示をするギャラリー&カフェ(appel)が出現した。そこのディレクターであり、自身作家である高橋さん。今回の展示をお願いした時いろんな面白いアイデアが出してくれた中で、最終的に展示したのは、鏡の脇に好きな人の写真を挟んだりする手法でドローイングや写真、歌を歌うテープなどが一緒になった作品。
KIMOKO
NYの国際写真センターの地下にあったグループ暗室で僕がよくプリントしていたころ、お互いの実家の話になり、守田さんを含めた3人が大井町、大森、蒲田と同じ電車の隣駅同士だったと知った時は本当に驚いた。ヌードのポートレートのシリーズは彼女のNY時代の作品。
中根静二 SEIJI NAKANE
183センチの僕が見上げる数少ない日本人であるセイジさんとは、彼がすでにNYに住んで7、8年は経っているころに出会った。当時から彼は、時々照明の仕事をしながら山に登り、写真を撮り続けている。もともとモノクロのプリントのうまさではすごかった彼が今回の作品で化けた、と僕は確信している。
林亮 TOHRU HAYASHI
NYで個展をやっていた彼に話しかけたのが始まり。架空の旅行代理店という設定で世界各地の場所を抽象的にビジュアル化するシリーズの他に、彼は小さい画用紙に木をモチーフにした独自の言語による詩のようなドローイングを毎日描いている。今回はその手法で彼の考える結婚によって開かれる世界を曼陀羅風に描いてもらった。
高木俊幸 NOJYO
NOJYOこと高木俊之には、NYで写真家をする秋田くんを通じて紹介された。展覧会の案内状にも使わせてもらったこの写真は、僕の自宅の居間をスタジオ化して深夜といっていい時刻に撮影された。有り合わせの布で急遽つくったベール、コンビニに買いに走った花束、そして「周りも入れた方が面白いね」という彼の一言で生まれた写真。咄嗟の判断で現場のヴァイブを定着させる彼らしい作品だと思う。
鈴木康広 SUZUKI YASUHIRO
02年のフィリップモリスの展示で隣合わせだった鈴木くん。結婚というテーマにいちばん困惑していたのは若い彼だった。展示されたのは、こちらを見つめる彼自身が時々機械仕掛けでまばたきをする作品。ぼーっとしている見過ごしてしまう。そう、すべての出会いも結婚も二人のまばたきの間の一瞬の視線の交錯から生まれるのだ。どこかのオープニングパーティーでの一夜のように。
O/OSS
伊藤、松岡さんと僕とあゆみの間にはいくつかの共通点がある。お互いにファッションとアート畑のコンビということ、伊藤さんがあゆみとNYの同じ大学の出身であること、伊藤さんの元職場であゆみが今働いていること。でも、何より似ているのはきっと、お互いうまくバランスがとれていることだと思う。ちょうどこの作品のように。
清水寛子 HIROKO SHIMIZU
清水さんと知り合ったのも彼女がフィリップモリスの展示で来ていたNYだ。彼女は様々なオリジナルキャラクターによるアニメーションを壁の穴やランプの下のノートの上、あるいは今回の展示のように家の模型の窓に映し出している。
TREVOR MORGAN
NYU時代のクラスメート。シミュレーションをテーマに、本物そっくりな暖炉をいろんな場所に持ち運んでそれぞれの場所でドキュメントを続けている。そして暖炉といえばやはり団らん、家庭の中心なのです。